「フリーで、自分らしいミラクルが起こせるよう頑張りたい」島田麻央

全日本選手権女子ショートプログラムで、ジュニアの島田麻央が79.33点を記録し、首位と0.1点差の2位につけた。張り詰めた空気の中で生まれた一つの偶然が、会心の演技へとつながった。

演技後の会見で島田は、これまでにない緊張感に包まれていたことを率直に明かした。「先生にも緊張してたよって言われるぐらい緊張してた」と振り返り、会場入りしてからの心境を「会場入ってアップしている時から、ジュニアの選手がトリプルアクセルでミスしてるところをしっかり聞こえてしまったので、そこもあってすごく緊張していた」と語った。自分がジュニアを牽引してきた立場であることも、プレッシャーを大きくしていたという。


それでも、演技直前に起きた思わぬ出来事が気持ちを切り替えるきっかけになった。「6分間練習終わってからの出来事で、ちょっとだけ緊張が薄れた」と語り、その理由を「回転で手を上げてたら低い天井で手をぶつけてしまって、それでちょっと緊張が少しだけ和らいだ」と明かした。「こういうことはよくあるけど、天井にぶつけたのは初めて」と苦笑いを浮かべながらも、その一瞬が心を軽くしたことを認めた。


演技では冒頭のトリプルアクセルを成功させ、会場を沸かせた。成功の要因については、「緊張してしまうと縮こまって不安に跳んでしまうことが多いけど、今日は緊張していた中でも思い切って跳ぶことができた」と自己分析する。昨年の全日本では回転不足を取られ、得点は74点台にとどまったが、「今回はトリプルアクセルもしっかり決めて、表現も去年よりできるようになったと思う。去年より達成感はあった」と成長を実感している様子だった。


他のジュニア選手の存在も、島田の闘志を掻き立てた。「自分を頑張るぞっていう気持ちで頑張った」と語り、「私もずっとトリプルアクセルに挑戦してきた身として、やっぱり負けられないという思いはあった」と、第一線に立ち続けてきた自負をにじませた。


視線はすでにフリーへと向いている。フリーではトリプルアクセルに加え、4回転トウループに挑む構成だ。今週の練習を振り返り、「ここに来るまでは確率が良くなかったけど、この会場で昨日跳んだ時に結構いい感触だった」と語る。4回転については「高さがないと回りきれない。しっかり上がっていたら自分的にいい感覚」と、感触の基準も明確にしていた。


ショートの結果については「この点数をもらえて、この演技ができたことはまず一つミラクル達成」と位置づける。その上で、「フリーが本番のミラクル。自分らしく、自分らしいミラクルが起こせるように頑張りたい」と言葉を結び、決戦のリンクでさらなる飛躍を期した。



写真:AkitoMizutani/SportsPressJP

取材:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP