「全員主役」流経大柏が示す新スタイル

第104回全国高校サッカー選手権大会は準決勝を迎え、前回大会の決勝で涙をのんだ流通経済大柏が2年連続の決勝進出、そして悲願の王座奪還に向けて盤石の仕上がりを見せている。準々決勝では強豪・大津を逆転で下し、その勝負強さを改めて世に知らしめた。

今季のチームを象徴するのは、4人のJクラブ内定者を擁しながらも特定の個に依存しない驚異の選手層だ。榎本雅大監督は対戦相手や展開に応じ、主力をあえてベンチに置く柔軟な采配を振るう。この競争原理がチームを活性化させ、大分鶴崎戦でハットトリックを達成した金子琉久や、マルチな才能を放つ2年生の古川蒼真といった日替わりのヒーローを生み出す土壌となっている。

守備陣も極めて多才だ。磐田内定の増田大空は左サイドバックの枠を超えてゲームを組み立て、高精度のキックで得点を演出する。中央ではU-17ワールドカップ経験者のメンディー・サイモン友が制空権を握り、セットプレーでは貴重な得点源としても牙を剥く。


先行を許しても慌てず、試合の流れを読み切って試合をひっくり返すメンタルは、昨年度の悔しさを糧に磨き上げられた。戦術、個の力、そして不屈の精神。すべてを兼ね備えた流経大柏にとって、国立の舞台はもはや通過点に過ぎない。


取材:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP