2026年1月11日、雪が舞う厳しい気象条件となった都大路で、第44回全国都道府県対抗女子駅伝が開催された 。レースは大阪が3年ぶり5度目の優勝を飾り、アンカー勝負までもつれ込む大接戦に終止符を打った 。怪我を抱えながら第1区を走り抜いた群馬の不破聖衣来と、震災復興の願いを込めて最終9区を力走した石川の五島莉乃、二人のトップランナーが見せた執念は、記録以上に観衆の心に深く刻まれるものとなった 。
京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とする9区間42.195kmで行われた今大会は、時折雪が舞い、厳しい向かい風が吹く過酷なコンディション下で実施された 。総合優勝を果たしたのは大阪で、2時間18分19秒を記録し、3年ぶり5度目の頂点に立った 。序盤は長野が主導権を握り、4区の細田あいまで首位を守ったが、大阪は後半の高校生区間から一気に追い上げ、最終的にアンカーの逸見亜優が兵庫との競り合いを制した 。
群馬県代表として第1区(6km)を任された不破聖衣来(三井住友海上)は、満身創痍の状態でスタートラインに立っていた 。昨年11月のクイーンズ駅伝で好走したものの、年末の合宿で右股関節を痛めており、本人の自己評価によるコンディションはわずか20パーセント程度であった 。不破はスタート直後、最後方からの慎重な入りを選択し、雪と強風が吹き荒れる中で徐々に順位を押し上げる粘りを見せた 。タスキリレー目前で他選手と交錯し転倒するアクシデントに見舞われたが、すぐさま起き上がり、トップと40秒差の区間23位でタスキをつないだ 。不破はレース後、上位で帰ってこられなかったことへの悔しさを口にしながらも、1区を走る責任を果たした安堵感を示した 。その後、群馬チームはアンカーの樺沢和佳奈が31分57秒の区間賞を記録し、12人を抜き去る猛追を見せ、8年ぶりの入賞となる総合6位に食い込んだ 。
石川県代表のアンカーとして第9区(10km)に出走した五島莉乃(資生堂)は、震災からの復興とチームの誇りを胸に都大路を駆けた 。チームは46位という非常に厳しい順位でタスキを受け、ほぼ単独走を強いられる難しい展開となったが、五島は前だけを見据えて力走を続けた 。現在はマラソン挑戦に向けた練習の過程にあり、キレを欠く自覚があったものの、32分29秒というタイムで区間2位の好成績を収め、順位を一つ押し上げた 。2年前の震災直後に行われた大会で区間賞を獲得した際と同様に、今回も「最後まで届けられて良かった」と笑顔を見せ、被災地への想いを走りで体現した 。
大会の結果は、2位に兵庫、3位には初メダル獲得となる長野が続いた 。中学生から社会人までがタスキをつなぐ今大会では、兵庫の田中希実が2区で区間賞を獲得するなどトップアスリートの輝きが随所に見られたが、同時に不破や五島といった選手たちが背景に抱えた強い覚悟も、今大会を象徴する一幕となった 。
text by TLM / SportsPressJP
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