岩清水梓、有終の一撃。ベレーザが新潟を下し勝利

2026年5月16日、味の素フィールド西が丘で行われた2025/26 SOMPO WEリーグ第22節、日テレ・東京ヴェルディベレーザ対アルビレックス新潟レディースは、ベレーザが2対1で勝利を収めた。前半を0対0で折り返すと、後半47分に眞城美春が先制点を挙げ、60分に滝川結女に同点弾を許したものの、73分に今季限りで引退する岩清水梓がPKを沈めて勝ち越した。

アルビレックス新潟レディースの橋川和晃監督は、インターセプトを狙う積極的な姿勢から一転、最後は引いて守る展開となったものの、選手たちが悔いのない素晴らしい試合を見せたと振り返り、西が丘に集まったファンへの感謝を口にした。今季限りで引退する川村優理については、リハビリの苦労を乗り越え、誰よりも早く朝一番から体作りに励む姿が若手の見本になったと称えた。ピッチ上でも広範囲にわたって走り続け、下吉など若い選手を引き出してチームを底上げしたと語った。

女子サッカーのプロ化については、真の意味でのプロ元年となった1年だったとし、クラブ全体のマーケティングや強化の方向性、現場の努力が三位一体で揃って初めてチームは伸びていくとの見解を示した。日本の女子サッカーの未来については、突出したタレントは減少傾向にあるかもしれないが、プロとしてゲームを組み立てられる選手やセンターフォワードは確実に増えていると分析した。そのうえで、アンダー18のリーグ戦創設といった地道な環境整備の積み重ねこそが、10年後のレベルアップに繋がると持論を展開した。試合終盤の3枚同時交代については勝ちにいくための想定内のシナリオだったと明かし、最後に自身を成長させてくれたチームと、常に温かく背中を押してくれたサポーターへの深い感謝を口にした。


日テレ・東京ヴェルディベレーザの楠瀬直木監督は、岩清水梓のPKについて語った。クラシエカップでクロスバーに当てるシュートを打って以降、岩清水が毎日練習の最後にこっそりキックの練習を続けていたことを知っていただけに、本番で見事に決めてくれたことを心から喜んだと話した。目前に迫るAWCLに向けては、ポジション変更などで連携にチグハグな部分が出ていることを率直に認めつつ、現地での練習時間が限られる中でもコミュニケーションを深め、最低限1対0でも勝利をもぎ取るという強い決意を示した。

岩清水がチームに与えた影響については、時折練習に参加するだけでチームの空気が一気に引き締まり、変わらぬ高い技術が若手にとって最高の手本となり続けたと語った。新潟が川村・上尾野辺・川澄を同時に送り出したことについては、単なる粋な計らいではなく、スポーツの持つ力や彼女たちの生き様を発信するためのものであり、若手が憧れる存在だからこそ実現した交代劇だったと称えた。眞城美春については、以前は前線で孤立しがちな場面もあったが、周囲を見ながらプレーできるようになり素晴らしい働きを見せたとし、今後の貴重なオプションになると評価した。対戦相手のメルボルン・シティFCについては、ポゼッション主体で速さと強さを兼ね備えた選手が揃うチームだと分析しつつ、気候条件が似ており体力的な不安もないため、コンディションを万全に整えて勝利を狙うと語った。


後半からシャドーで起用された眞城美春は、フォワードというゴールに一番近いポジションだからこそ絶対に決めてやろうという強い気持ちを持ってピッチに立ち、セカンドボールには全て詰める意識で挑んだと語った。PKの場面では、当初は自身が蹴ろうとボールを持ったものの、岩清水が蹴る雰囲気を察してそっと譲ったと舞台裏を明かした。岩清水が築き上げてきたベレーザをさらに成長させていくことが自分たちの世代の役目だと、力強く決意を語った。

塩越柚歩は今シーズンを総括し、チャンスを多く作っても決めきれず、相手の数少ないチャンスで失点して勝ち点を落とす悔しい試合が続いたと振り返った。一方で個人としては、1シーズンを通じて怪我なく出場し続け、得点面で自己記録を更新できたことが大きな自信になったと語った。岩清水の存在については、ともに試合に出る時間が最も長かった選手として、厳しく言葉をかけてくれる存在がいることでチームが引き締まると感謝を示した。次戦のメルボルン・シティFC戦については強度の高い試合になると予想し、相手に球際を作らせないほどボールを保持して動かしながら、日本人の良さであるコンビネーションを生かせれば勝機は十分あると前を向いた。

取材:Junko Sato / SportsPressJP