田中碧の言葉が、このグループステージの終わりとブラジル戦への入り口を一番よく表していた。サッカー日本代表は、北中米ワールドカップのグループF第3節でスウェーデン代表と1-1で引き分け、1勝2分けの勝ち点5でグループ2位通過を決めた。決勝トーナメント1回戦ラウンド32ではブラジル代表との対戦が決まっている。試合後、出場した選手と途中出場の選手の双方から、結果への手応えと反省、そして中3日で迎えるブラジル戦への思いが語られた。
谷口彰悟は、決勝トーナメント進出が決まった気持ちについて、勝てなかったことよりも次に進めたことをポジティブに捉えたいと答えた。アクシデント気味の途中出場だったが、試合開始からベンチでも出場選手と同じテンションで戦っていたため、落ち着いて入ることができたと振り返った。スウェーデンの強力な攻撃陣との対峙では個人のバトルで何本かやらせてしまった場面もあったが、チーム全員でバトルできた点を良かったと述べ、最後は鈴木彩艶が止めてくれたことで勝ち点1を確保できたのは最低限の結果だったと語った。先制点の崩しについては自分たちの形がうまく出たシーンだったと評価し、タフな予選を突破できたことに安堵を見せながら、ここからは負けたら終わりという覚悟でラウンド32に向けて準備したいと述べた。
菅原由勢は、スタメンを2日前のミーティングで知らされ、喜びとともに結果を出さなければならないという覚悟が生まれたと明かした。ゼロで抑えるという目標を達成できなかった点はチームの課題であり、自身もクロスなど攻撃面でもっと関わるべきだったと反省した一方、引かずに正々堂々と戦えたからこその勝ち点1だったとも振り返った。中3日でのブラジル戦に向けては、最高のリカバリーで120%の力を出せるよう、チーム一丸、日本一となって準備したいと述べた。
鈴木彩艶は、前半の硬いゲームを経て後半に先制しながらも追いつかれる展開の中、最小失点に抑えて勝ち点1を守れたことをポジティブに捉えた。押し込まれる時間帯は1対1のカバーリングとクロス対応のコーチングを意識し、コンパクトな守備を保てたと振り返り、ブラジル戦は一発勝負で勝つしかないとして、いい状態で臨むための準備を進めると語った。
前田大然は、タフな試合となったが決勝トーナメントに進めたことに安堵を示した。先制点の場面ではトラップに集中することだけを考え、決まった後は流し込むだけだったと振り返り、応援してくれた人の期待に応えられたことを喜んだ。守備での貢献は自身の良さである一方、勝ちきれなかった点は修正し、ブラジル戦では必ず勝ちたいと意気込んだ。
鎌田大地は、エランガを含めた相手前線3枚の強さを警戒し、田中碧とリスク管理をしながらセカンドボールの回収を意識したと述べた。失点後に円陣を組んだ場面については、ポジションへの戻りが遅れて押し込まれた反省から、早い帰陣を呼びかけたと明かした。ブラジル戦に向けては積み上げてきたものを変える必要はないとしつつ、オランダ戦と似た形での失点を踏まえてカウンターをより鋭くしたいと展望を語り、アメリカまで駆けつけたサポーターへの感謝も口にした。
中村敬斗は、一進一退の攻防が続いた試合内容を振り返った。左ウイングバックとしてはまずエランガに仕事をさせないことを意識し、攻撃面でもクオリティを出すことを心がけたと述べた。前田大然との関係性については、細かくつなぐのではなくダイナミックな動き出しに合わせてパスを送るイメージでプレーしたと語り、ブラジル戦は間違いなくビッグゲームになるがベストゲームを出したいと意気込んだ。
長友佑都は、4年間準備してきたワールドカップの舞台を振り返り、感謝の言葉を口にした。5大会連続出場でピッチに立った興奮について、支えてくれた仲間への感謝を示しながら語り、苦しい時間帯での左ウイングバック起用では1対1で絶対に負けないという思いで魂とエネルギーを注いだと述べた。ブラジル戦に向けては、優勝を目指す以上どこが相手でも勝つだけだと力強く語った。
田中碧は、相手の強力な攻撃陣に時間とスペースを与えないことを意識しながらも1失点したことを反省した。ボランチとしてはゼロで進めることを重視しつつ、攻撃面でのテンポやチャンスをより仕留めるべきだったと振り返りながらも、グループステージ突破という目標を達成できたことには安堵を見せた。そのうえで、ここからが本当のワールドカップであるとし、ブラジルという強敵を前に、自分たちも見ている人々も優勝を期待しているのであれば、共に戦ってほしいと頼もしい言葉を残した。
伊藤洋輝は、相手アタッカー陣のカウンターを最大の武器と見立て、ボール保持時のリスク管理をディフェンスラインで共有しながら対応したと述べた。3試合で異なる戦い方を見せられたことを今後も継続したいとし、フル出場が続く中でもリカバリーはできているとして、まずブラジルに勝って日本を盛り上げたいと語った。
伊東純也は、後半立ち上がりに先制しながらすぐに失点した点について修正の必要性を語った。途中出場では特別な指示はなく、いつも通りのプレーを求められたとしつつ、得点に絡めなかったことを残念がった。ブラジル戦については、親善試合とは異なるメンバーになるとみながら、いい準備をしてやるだけだと述べた。
瀬古歩夢は、フル出場でビッグクラブの選手たちと対峙できた経験を自身にとって意味のある時間だったと振り返った。タフな試合になるとみながらも今のチームなら戦えるとし、森保監督からの指示として次戦に100%で臨めるようリカバリーを進めるよう話があったことを明かした。
上田綺世は、勝ちたいゲームだったが最低限の突破を果たせたことに一定の評価を示した。前半のうちにもう一つチャンスを作りチームを楽にできればよかったとした一方、苦しい時間帯を耐え抜いた一体感は今後につながると述べた。ブラジル戦に向けてはまず体のケアを優先し、1戦必勝の緊張感の中でプレーできることをこの上ない幸せだとし、結果を持って帰りたいと語った。
決勝トーナメント1回戦は6月30日、ヒューストンで行われる。中3日でブラジルと対峙する日本代表は、選手たちが口にした反省と決意を胸に、田中碧が言う本当のワールドカップ、ラウンド32の壁に挑む。
Photo by SportsPressJP
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