FIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window4初戦、日本代表はアウェーでサウジアラビアを106-78で下した。100点を超える圧倒的な攻撃力を見せ、新生日本代表の完成度の高さを示す試合となった。
八村頼みではない攻撃
八村塁はフィールドゴール13本中11本、3ポイント4本中3本、フリースロー4本全成功で29得点。前半はミスなしで18点を積み上げた。だが重要なのは得点そのものより、八村にディフェンスが集まることで生まれるスペースだ。シューターが空き、カッターが走り、インサイドが動きやすくなる。八村を中心にしながら、攻撃は一人で完結していなかった。
河村勇輝は得点4に留まったが9アシストでゲームを操り、速攻では加速し、ハーフコートでは味方の状況を見ながら判断を続けた。ホーキンソンは21得点(3ポイント3本含む)でインサイドを支配。富永啓生がベンチから14点、西田優大が13点を記録し、外からの脅威が相手の守備を広げた。馬場雄大は得点こそ少なかったが、守備とプレッシャーで数字に出ない貢献を見せた。この試合で目を引いたのが、日本のターンオーバーの少なさだった。速いテンポで攻めながらもボールを失わない安定感が際立った。この規律が最後までペースを手放さなかった要因の一つだ。
戦術の柔軟性
桶谷大ヘッドコーチのもと、チームは「自らの形を貫く」から「相手に合わせて変える」へと重心を移している。後半はダブルチームの頻度を上げ、相手の主戦力を封じにいった。ドロップやプレッシャーのかけ方を相手に応じて変える柔軟性も、新体制の特徴として見えてきた。
ベンチの強度
富樫勇樹、齋藤拓実、佐々木隆成、シェーファーアヴィ幸樹、吉井裕鷹、高島紳司――出場時間は限られても、それぞれが求められる役割を果たし、チーム全体の強度を落とさなかった。スター選手だけに頼らないチーム力は、長い予選を勝ち抜くうえで欠かせない要素だ。
次戦へ
サウジアラビア戦で白星を挙げた日本は、次戦8月31日19時10分、TOYOTA ARENA TOKYOでカタールと対戦する。アウェーで示したミスの少なさをホームでも維持できるかが焦点となる。106-78というスコアは、個々の能力の高さがチームとしてつながり始めていることを示した一戦だった。
八村の決定力、河村の配球、ホーキンソンの内外、周囲の選手層の厚み――そのすべてが噛み合った夜だったが、このチームはまだ完成形ではない。予選突破、そして2027年大会、2028年五輪を見据えた挑戦は、ここから本格化する。
Photo by Junko Sato / SportsPressJP
TEXT by Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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