「私が見ている彩艶は何も変わっていない」
エクアドル戦前日の9月30日、森保一監督は会見の最後に鈴木彩艶についてそう語った。アストン・ヴィラで月間MVPに選ばれた守護神の変化を問われ、返した答えだった。
「移籍して簡単に認めてもらえるようなステージではない中で、デビューから落ち着いたパフォーマンスをしている。ただ、常に日々、自分がやれることにいい準備をして、全力を尽くし、しっかりトリートメントする。より高みを目指すためにやるべきことに、常にベストを尽くしている。そこは変わらない」
その日の会見で、指揮官はエクアドル戦の先発GKに彩艶を指名していた。ベネズエラ戦ではハーフタイムで交代しており、翌日の一戦は、守護神にとって自らを示す舞台でもあった。
10月1日、日産スタジアム。キリンカップサッカー2026の準決勝は、90分を終えて0-0。勝負はPK戦に委ねられた。
先攻のエクアドルは1人目、2人目が成功。迎えた3人目、デニル・カスティージョのキックを、彩艶は完璧に読み切って止めた。日本は上田綺世、鎌田大地、伊藤洋輝、相馬勇紀、前田大然の5人全員が決め、5-4で決勝進出を決めた。日本代表にとって、15年ぶりのPK戦勝利だった。
ゴール前の駆け引きは、キックの前から始まっていた。彩艶はキッカーに自らボールを手渡し、試合後、その狙いを「相手のリズムを狂わせようかなと」と明かしている。
主将の堂安律も、守護神をこう称えた。
「これからどんどん経験を積んでいけば、間違いなく世界一のキーパーになると思う」
前日、森保監督は彩艶の姿勢について、もう一つの言葉を残していた。
「彼は、日本人の礼儀、姿勢や態度という部分でも、オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも、日本人の良さや文化を体現し続けてくれている」
指揮官が「変わっていない」と信じた日々の積み重ねは、一夜明けたPK戦で、確かな形になった。日本は10月5日、国立競技場での決勝でニュージーランドと対戦する。
Photo by Hiroshig Suzuki / SportsPressJP
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