「先制点を取られてしまって少しヒヤッとしたけど、じれずにしっかりとやれば、後半は相手も疲れてくるので、勝ち越せればいいと思いながらやっていた」
10月7日、日産スタジアムで行われた天皇杯JFA第106回全日本サッカー選手権大会3回戦で、横浜F・マリノス(J1)は京都産業大学(京都府代表)に2-1で逆転勝ちした。決勝点を挙げたキャプテンの天野純は、苦しんだ前半をこう振り返った。
京産大は2回戦で水戸ホーリーホックを破り、3回戦に勝ち残った唯一のアマチュアチームとしてこの試合に臨んだ。立ち上がりからコンパクトな陣形とハイプレスで横浜FMを押し込み、35分、末谷誓梧が左サイドから折り返したボールを、アジア競技大会から戻ったばかりの福永裕也がワンタッチで合わせ、先制点を奪った。
「相手のウィークポイントを突くというより、自分たちが110%、120%を出さなければいけないという前提があった」
京産大の吉川拓也監督は、学生リーグで課題だったラインコントロールとハイプレスが前半に機能したと語った。相手がボランチをアンカーに変えた際も、選手がピッチ上で3-4-3と4-4-2を使い分けて対応したという。
横浜FMはハーフタイムにジョルディ・クルークス、谷村海那、鈴木冬一を投入した。流れを変えたのは59分、ジェイソン・キニョーネスの突破を止めた京産大の小野成夢が、決定的な得点機会の阻止で退場となった場面だった。直後の61分、クルークスが直接FKを左足で沈めて同点。68分には井上太聖からのボールを受けた天野が左足で決め、試合をひっくり返した。
「ジョルディがすごく自信を持っていて、自分が蹴りたいということだったので譲った」と天野はFKの場面を明かし、決勝点については「あそこは自分の得意ゾーンだったので、しっかりターンしてシュートにいけた」と語った。
スティーブ・コリカ監督は前半について「もう少しウイングの選手たちから何か欲しかった」と苦言を呈しつつ、交代選手の働きを評価した。「水戸に勝ったという事実がある中で、全く軽く見ずに準備してきた。鍛えられた良いチームだと感じた」と京産大を称えた。
福永について、吉川監督は「アジア競技大会では悔しい思いを持って戻ってきた。J1相手に積極果敢にやってくれた」と評価した。その上で「失点する前に大きなチャンスがあった。そこで決め切って勝ち越せればよかった」と悔やんだ。
ベスト16を目標に掲げていた吉川監督は「上に行けば行くほど、一瞬、一本の精度が勝敗を分ける」と悔しさをにじませ、「日常の基準を忘れずに積み重ねていくしかない」と前を向いた。
Photo by Hiroshige Suzuki / SportsPressJP
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