2026年4月11日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたB1リーグ第31節GAME1において、アルバルク東京は島根スサノオマジックと対戦し、65対52で勝利を収めた。序盤からアルバルク東京は強固なディフェンスで相手オフェンスを封じ込め、前半を35対22とリードして折り返した。しかし第3クォーターに入るとオフェンスの停滞やターンオーバーが響き、島根に同点へと追いつかれる苦しい展開となった。それでも第4クォーターに入ると再びディフェンスから流れを引き寄せ、ライアン・ロシターのオフェンスリバウンドやセカンドチャンスからの得点、テーブス海や安藤周人の3ポイントシュートなどで一気に突き放し、ホームでの一戦を勝ち切った。
試合後の会見でアルバルク東京のデイニアス・アドマイティスHCは、ディフェンスで勝ち切れた点を評価した。特に第4クォーターでの守備の遂行力と、ザック・バランスキーのサイズと経験を活かした働きが勝利に繋がったと語った。一方でオフェンス面については、急ぎすぎた判断によるターンオーバーの多さを課題に挙げ、意図を持ったプレーの必要性を説いた。
復帰後間もないロシターは、自身のコンディションは良好であるとしながらも、試合の勘やリズムを取り戻すにはもう少し実戦が必要だと述べた。得点能力の高いチームメイトを生かすため、パスやオフェンスリバウンドといった自身の役割を理解した上で献身的なプレーでチームを支える姿勢を見せた。
また、ロシターは菊地について、スポーツやチームワークのすべてを体現する選手であると最大級の賛辞を送った。スター選手やスコアラーではなくとも、相手のエースをディフェンスし、ルーズボールに飛び込み、オフェンスリバウンドに絡むといった数字に表れない部分でチームに多大な影響を与えてきたと語った。かつて対戦相手としてマッチアップした際も、非常にフィジカルで嫌な選手だったと振り返り、試合に出なくても練習やベンチ、ロッカールームで常にチームを助ける特別な存在である菊地を優勝して送り出したいという強い思いを口にした。
菊地自身は引退の経緯について、チームのベストな状況を優先した決断であったと語った。当初は公表を控える意向だったが、地元である山形県のファンへの配慮から発表に至った。家族の後押しを受け、子供の記憶に戦う姿を残すという目標を達成したことも明かした。東芝退団時に自身を拾ってくれたアルバルク東京への恩義を重んじ、他チームへ移籍して現役を続行する選択肢は持たなかった。残りのシーズンはベンチで仲間のケアを担い、自身が築いたディフェンスのメンタリティを若手へ伝承しながら、悲願の優勝を目指すとしている。
小酒部泰暉は、自身のターンオーバーで試合が始まってしまった点や、苦しい時間帯にチームのバスケットボールを見失った点を反省点として挙げた。ディフェンスからリズムを作るチームであることを再確認し、今後に向けてチーム内のコミュニケーション精度をさらに高めていく意気込みを示した。
ルーキー時代から菊地の背中を見てきた小酒部も、引退への寂しさを滲ませた。菊地が残した声がけや姿勢を大事にしながら今後のキャリアを進んでいきたいと語り、菊地がチームに残そうとしているファウルストップなどの「相手が嫌がるプレー」についても、菊地から多くを学び、相手を怒らせるくらいのディフェンスを目指して実践していると述べた。
一方、敗れた島根スサノオマジックのペータル・ボジッチHCは、ビハインドの状況から見せた選手たちの反発力とフィジカルなプレーを称賛した。この敗戦によりチャンピオンシップ進出を逃す結果となったが、シーズンを通じて多くの負傷離脱者に悩まされた不運が影響したと振り返った。それでも、出場機会を得た若手選手が著しい成長を遂げたことを前向きに捉え、残りの試合も選手たちのさらなる成長の場として戦い抜く決意を語った。
取材:AtsuhikoNakai/SportsPressJP
0コメント