「言い訳をすることなく、自分がチームの勝利に何で貢献できるのかというところを全員がやってくれた。カバーし合うのがチーム」——2026年4月15日、滋賀ダイハツアリーナ。98対91でアウェーの激戦を制した三遠ネオフェニックスの大野篤史ヘッドコーチの口から出たこの言葉が、この日の勝利の本質を物語っていた。
B1リーグ第32節、三遠は出場できるメンバーが限られ、ローテーションを回すことが困難な状況に直面していた。しかしコートに立った選手たちは、その厳しい事情を一切言い訳にしなかった。NBAでのプレー経験を持つヤンテ・メイテンが29得点11リバウンド、デイビッド・ヌワバが26得点7アシストと圧倒的な数字でチームを牽引。このNBAコンビが持つワールドクラスのフィジカルとインテンシティは、試合を通じて滋賀にとって脅威であり続けた。
強烈な個の力に加え、大野ヘッドコーチが真っ先に評価したのはルーキーの児玉ジュニアだった。限られた陣容の中でボールを動かし、攻守の切り替えでゲームを繋いだそのプレーが、勝利をたぐり寄せた大きな要因だったと指揮官は語った。
一方、5得点4リバウンドを記録した湧川颯斗には、試合中のターンオーバーについて大いに反省してほしいと厳しい言葉を投げかけた。ただその裏には、エンドオブゲームの場面で試合をフィニッシュできる可能性を見出しているからこその、深い期待が込められていた。以前、トラップディフェンスにはまって逆転を許した経験も糧に、さらなる成長へ繋げてほしいという思いを指揮官は言葉に込めた。
2026年4月16日時点で三遠は32勝21敗、西地区5位。ワイルドカード4位のアルバルク東京(35勝18敗)との差を詰めるべく、残り7試合で一切の余裕はない。琉球ゴールデンキングス、シーホース三河、名古屋ダイヤモンドドルフィンズといった強豪との直接対決が続き、道のりは険しい。それでも大野ヘッドコーチは、この献身的な姿勢と結束力をシーズン最後まで継続できれば、さらに良いチームになれると展望を語った。誰かがミスをしても別の誰かが補い合う——その結束力が、ワイルドカード争いの鍵になる。
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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