「自分たちの存在を通して、いかに日常が豊かになっていくか」——。4月15日、滋賀ダイハツアリーナで行われたB1リーグ第32節、滋賀レイクスは三遠ネオフェニックスに91対98で敗れた。試合後の記者会見で前田健滋朗ヘッドコーチが口にしたのは、敗北への嘆きではなくチームが存在する理由そのものへの問いかけだった。
大雨の降る平日夜にもかかわらず、多くのブースターが滋賀ダイハツアリーナに詰めかけた。第1クォーターにリードを奪った滋賀だったが、第2クォーターで逆転を許すと第3クォーターに一気に点差を広げられた。最終クォーターに猛追を見せたものの、逆転には届かなかった。
「来場いただいた皆さんに応えることができなかったこと、非常に悔しく思っています」。そう口にしながらも、残り7試合への姿勢に迷いはなかった。「これまでやってきた53試合と何が変わるかと言うと、私の中では何も変わらない。チームが目指すものは変わらないです」。
時間とお金、そして熱い思いをかけて後押ししてくれるブースター、地域の人々、スポンサーへの感謝が、その言葉を支えていた。雨をものともせず声を枯らして応援し続ける人たちがいる。前田ヘッドコーチにとって、その存在こそがチームを動かす原動力だった。
「もう本当に土曜日勝ちたいです。それだけです」。消化試合という言葉は、この指揮官の辞書には存在しなかった。目の前の1試合を全力で取りにいく。その積み重ねの先に、「自分たちの存在を通して日常を豊かにする」というクラブとしての揺るぎない覚悟があった。
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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