U-20女子アジアカップで優勝を果たした日本代表の井尻明監督は、帰国後の羽田空港で会見に臨み、大舞台を前に選手たちへ「泥臭いサッカーでも勝ち切らなきゃいけない」という言葉を贈っていたと明かした。テクニックを駆使して主導権を握る日本らしいスタイルを理想としながらも、勝利のためにはなりふり構わず戦う覚悟が必要だと説いた。
事前の情報が少ない北朝鮮であったが、決勝までの5試合で25得点無失点という圧倒的な結果を残したグループリーグなどでの戦いぶりをスタッフ陣が詳細に分析し、周到な対策を練って大一番に臨んだ。特に対策として徹底したのが、相手の出足が鋭く点が動きやすい開始からの10分、15分の時間帯であった。指揮官はあえてリスクを冒さず相手コートでプレーすることを選手たちに求め、自身もベンチの前に立って声を張り上げ、チーム全員で北朝鮮の激しい圧力とパワーを凌ぎ切ったことが、前半を無失点で乗り越える鍵になったと振り返った。
パワーとスピードを武器とする相手に押し込まれる展開が続く中でも、守備の局面において「闘魂」や「根性」といった言葉を使い、ゴール前での粘り強さを求めた。劣勢のなかでもセットプレーという限られたチャンスから先制点を奪った後は、選手交代を行って5バックに変更し逃げ切るなど、分析に基づく的確な采配と泥臭い執念が、北朝鮮の激しい攻勢を凌ぎ切る結果に繋がったと語った。激しいハイインテンシティの中でも自分たちのやりたいことができるようになる必要性を今後の課題として挙げつつも、最後の局面で見せた粘りは「ジャパンズウェイ」の一部であるとの考えを示した。
今大会でファイナルまで進み、強敵と6試合を戦い抜いた経験は選手にとって大きな財産になったと語った。遅れて合流する選手もいるなどコンディション調整が難しい状況の中でも、結果を出す過程で自然とチームの一体感が生まれたと称えた。この優勝が日本のサッカーファミリーが長年築き上げてきた歴史のバトンを受け継いだ結果であると述べ、指揮官はすでに世界一奪還を目指すワールドカップへと視線を向けていた。
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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