狩野監督「アジリティと瞬間的なスプリントで局面を打開する」

2026年5月21日、日本サッカー協会は、なでしこジャパンの新体制および6月に大阪で開催される南アフリカ戦に向けた記者会見を行った。会見には女子ナショナルチームダイレクターの佐々木則夫と、5月に正式就任した狩野倫久監督が登壇。なでしこジャパンは2026年3月のAFC女子アジアカップで圧倒的な成績を残して優勝を果たしたが、チームを率いたニルス・ニールセン前監督が退任し、コーチを務めていた狩野監督が後任を任された。新監督の初陣となる今回の国際親善試合は、世界一奪還へ向けた新たなスタートの場になる。


狩野監督は、ワールドカップから逆算して「躍動感のあるフットボール」を掲げた。攻守の切り替えの速さと走ることをキーワードに挙げ、日本人の特徴であるアジリティを活かしたスプリント能力や、前方へ飛び出すアクションの重要性を説いた。ワールドカップまでにトータル7回の活動を見据えており、今回の南アフリカ戦とアジア競技大会を一つの活動の枠組みとして捉え、合計46名の選手を対象にコンセプトの共有と見極めを行う計画を明かした。


メンバー選考においては、海外でのプレー経験や身体能力が評価され、竹重杏歌理伊東珠梨が初招集された。狩野監督は、アンダー世代から指導してきた竹重の高身長を活かした対人の強さや左右のロングフィード、伊東の中盤における守備のフィットネスレベルやフィード能力に期待を寄せた。また、遠藤優のスピードを活かしたディフェンス面での貢献や、籾木結花の高い技術力も招集の理由として挙げられた。一方でキャプテンの選定については特定の選手を明言せず、フラットな視点からリーダーシップを発揮できる人材をこれからの1年間で見極めていく方針を示した。


対戦相手の南アフリカについては、スピードやパワーに加え、組織されたシステムを持つ特徴的な強敵と分析し、世界大会を見据えて実際に肌で体感し経験することの重要性を語った。佐々木ダイレクターは、日本の女子選手を熟知する狩野監督を世界一を目指す上で最も適した人材と高く評価。マンチェスター・シティで進化を遂げた長谷川唯をはじめとする海外組の活躍や、古賀塔子、松窪真心、谷川萌々子といった若手の台頭、さらに観客動員が好調な WEリーグの盛り上がりを背景に、新体制となったなでしこジャパンはフレッシュな気持ちで最初の一歩を踏み出す。

取材:石田達也 / SportsPressJP 


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