2026年5月31日、秩父宮ラグビー場にてNTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレーオフトーナメント準決勝が行われ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイが埼玉パナソニックワイルドナイツを26-24で下し、決勝進出を果たした。
序盤から激しいブレイクダウンの攻防が続き、前半は7-10とスピアーズが3点のリードを奪って折り返す展開となった。後半も互いに一歩も譲らぬ死闘となったが、スピアーズがペナルティゴールや木田晴斗のトライで点差を広げていく。ワイルドナイツも後半39分に齊藤誉哉のトライとコンバージョンゴールで2点差まで猛追したものの、スピアーズが最後までリードを守り切った。
試合を通じてスピアーズが貫いたのは、キックを軸とした徹底したエリアマネジメントだ。マキシ・ファウルアキャプテンは「敵陣でプレーし、キックを使ってスマートにやっていく方針だった。敵陣に入ったらどんどんプレッシャーをかけてチャンスがあればペナルティゴールやトライを狙う、リーダー陣を含めてうまくコントロールできた」と手応えを語る。フラン・ルディケヘッドコーチも、ディフェンスの局面で相手のアタックを自由にさせなかったことが勝ち切れた最大の要因であると分析した。
試合の分岐点となったのは後半21分、ワイルドナイツのトライ直後のコンバージョン場面だ。ハラトア・ヴァイレアによる渾身のチャージダウンが飛び出し、この2点分の阻止が最終的な2点差の勝利を手繰り寄せた。ルディケヘッドコーチは「ワールドカップでのチェスリン・コルビ選手のようなプレーが勝ちに繋がる。どれだけ瞬間瞬間を勝てるかがスコアに反映されると選手たちも分かっていて、80分間体現してくれた」と称えた。
一方、惜しくも敗れたワイルドナイツの金沢篤ヘッドコーチは、選手の奮闘を称えながらも「クボタのパフォーマンスがすごく良かった。中盤でのキックでボールが自陣に入ってくることが多く、彼らが中盤を制したと実感している」と敗因を率直に認めた。坂手淳史キャプテンも、ディフェンス全体の出来は評価しつつ、「敵陣に入ってから最後のトライを取りに行く遂行力の部分が少し足りなかった」と悔しさをにじませた。
この試合が第一線での最後のレフリングとなった滑川剛人レフェリーは、終盤のトライキャンセル判定について「テレビを見ているTMOが決めるのではなく、グラウンドの責任者である僕が決めるべきだ」と強い信念を示した。引退の決意はシーズン前から固めており、2027年ワールドカップで笛を吹くという目標への道が遠いと感じたことが背景にあると明かした。「本当に選手が素晴らしい試合をしてくれた」と両チームを称え、清々しい思いで笛を置いた。
スピアーズは次週、悲願の頂点を目指して決勝の舞台へ進む。負傷者が出た中でもルディケヘッドコーチは「完璧なメンバーではないが、全員で戦えば優勝できる」と力強く宣言した。
取材:Atsuhiko Nakai / SportsPressJP
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