アルゼンチンが7月11日(現地時間)、カンザスシティで行われたワールドカップ2026準々決勝でスイスと対戦し、延長戦の末3-1で勝利、準決勝進出を決めた。前半10分、コーナーキックからアレクシス・マック・アリスターがヘディングで先制したが、スイスは後半67分、ダン・ンドイエのゴールで同点に追いついた。試合が動いたのは72分、スイスのブレール・エンボロがシミュレーションでのVARチェックの末に2枚目のイエローカードを受け退場。数的優位を得たアルゼンチンだったが、10人のスイスを崩せないまま延長戦に突入した。均衡を破ったのは延長後半のフリアン・アルバレス、112分に中距離からのシュートを叩き込むと、アディショナルタイムにはラウタロ・マルティネスが追加点を挙げ、そのまま試合を締めくくった。
得点したアルバレスは「サッカーだから、こういう試合はいつもある。自分たちにも相手にも同じことが起きる」と述べ、「大事なのはチームが勝つことだ」と強調した。この日の活躍でマン・オブ・ザ・マッチに選出されたアルバレスは、自身の調子について「良い方向に向かっていると感じている」と語った。
先制点については、指揮官のリオネル・スカローニが説明した。マック・アリスターの得点に触れ、「ニアポストでアレクシスが勝てると何度も指摘していた」とし、担当コーチであるワルテル・サムエルへの謝意を口にした。スカローニは「アレクシスは高さが武器ではないが、セットプレーでは非常に良い働きをしている」と評価した。
延長で途中出場し存在感を示したティアゴ・アルマダは、「今日は自分の役目を果たそうとした。シュートを狙い、1対1を仕掛けることを意識した」と振り返り、「序盤の試合ではしっくりこなかったが、今は少しずつ良くなっていると感じる」と述べた。
一方、この試合最大の焦点となったのは、スイスのブレール・エンボロに対する退場処分だった。試合後の記者会見でスイスのムラト・ヤキン監督は「これは私にとって全く理解できないルールで下された処分だ」と述べ、直前の場面でアルゼンチン側選手にも同様のプレーがあったにもかかわらずイエローカードにとどまったことを指摘。「あのカードが試合そのものを壊した」と訴えた。それでも「この形で敗退するのは受け入れがたいが、受け入れなければならない」としつつ、「誇りを持ってこの大会を振り返ることができる」と選手たちを称えた。
10人になってからのチーム対応について、ヤキン監督は「2人の攻撃的な選手を投入する予定だったプランを、あの退場によって根本から変えざるを得なかった」と説明。それでも「10人で戦い、情熱を持ってプレーし、守備も崩れなかった」と続けた。
スイスのファビアン・リーダーは、「あのプレーは私自身も見ていないので判断が難しい」としながら、「このチームはこれほどの相手と互角以上に渡り合った」と振り返り、「これだけの内容を見せれば、チームとして誇りを持てる」とコメントした。
スカローニ監督は試合の内容そのものについては厳しい評価を下した。「今日は思うようにボールを動かせなかった。相手のデュエルに競り負ける場面が多かった」と認めつつ、「準決勝まで進むのに苦しまないことなどありえない。カタールの時も苦しんだ」と話し、結果を重視する姿勢を崩さなかった。次戦のイングランド戦については、感情論や歴史的背景を絡めた質問に対し、「サッカーの試合だ。それ以上でも以下でもない」と繰り返し、あくまで一つの試合として捉える考えを示した。
アルゼンチンは過去4大会で3度目となる準決勝進出。準決勝の相手はイングランドで、両者の対戦は7月15日アトランタで行われる。
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