6月と7月、日本のファンが見た谷川萌々子

FCバイエルンWOMENのディレクターは、谷川とバイエルン女子への関心を、このツアーで定着させたいと語った。クラブ史上初のアジア遠征、その動機は、谷川萌々子だった。

6月、人気テレビ番組への出演直後、なでしこジャパンの一員として日本に戻った谷川を見ようと、大阪のスタジアムにはサッカー少女たちが集まった。サッカーをやっている子どもや少女たちの目標となる選手を今日見せたいという思いで試合に臨んだという谷川。南アフリカ戦で放った鮮烈なミドルシュートはネット上でも大きな反響を呼び、「見ている方がすごく期待してくれていたので、それを日本でやれたことは良かった」と本人も手応えを口にした。


それから2カ月、今度は所属クラブのバイエルンが来日。代表かクラブかという違いはあっても、谷川萌々子が日本で試合をすれば、数字が動く。7月25日、日本のファンの前に立った谷川は「本当にいろんな方の支えがあって、試合ができた」と振り返った。


同時にこの日、初めてバイエルンの選手として日本の子どもたちと交流した。子供たちが、目を輝かせて嬉しそうにしてくれるので、本当に嬉しかったという。そういうところで責任もあるのかなと語った谷川は、自分がすでに注目される存在になっていることを、自覚し始めていた。


その自覚は、ピッチの上でも裏付けられていた。この日はボランチでの起用だったが、「前を向いて縦にパスを当てることで自分の良さが出せる」と、慣れないポジションでも手応えを口にした。前線でこそ持ち味が出やすいと本人が認める選手が、必要とされればチームの心臓部でも機能する。バルカラ監督が「彼女を経由してすべてのプレーがリンクしている」と語った通り、谷川はどのポジションに置かれても、チームの基準点になれる。


技術面での成長意欲も一貫していた。6月のキャンプでは、1カ月前に敗れたばかりのバルセロナの選手を参考にしていると明かし、常にボールを受けようとする中で相手を一枚かわせる選手が多いことに触れ、そうした違いやテンポを生み出せる選手になりたいと語っていた。ワールドカップを見据えて自ら打開していくプレーについて問われたこの日は、対戦相手が1対1で強いプレッシャーをかけてくる中でも一人で一枚かわせる選手になることで、チームの流れを良くしたいと、いま意識している課題を明かした。

代表でも、クラブでも。この2カ月、谷川萌々子が日本に戻るたびに、同じ熱量を持ったファンが集まった。来年のワールドカップに向けて、谷川自身がどう進化していくのか。その過程を見守っていきたい。

Photo by Junko Sato / SportsPressJP 

Source: RB Omiya Ardija post-match mixed-zone interview (Momoko Tanikawa, 25 July 2026); SportsPressJP mixed-zone coverage (Momoko Tanikawa, 3 June 2026); FC Bayern official statement (fcbayern.com, 20 May 2026)