レイラック滋賀、AT劇的弾で天皇杯1回戦突破

天皇杯JFA第106回全日本サッカー選手権大会1回戦が8月19日、平和堂HATOスタジアムで行われ、J3のレイラック滋賀FCが北信越1部・JAPANサッカーカレッジ(新潟)に2-1で競り勝った。得点は滋賀が北條真汰(63分)と井出敬大(90+5分)、JSCが堺千空(81分)。

平和堂HATOスタジアムは滋賀にとって運命的な舞台だ。2023年、当時JFL所属だった滋賀はこの球場のこけら落としとなった天皇杯1回戦でJ3アスルクラロ沼津を延長アディショナルタイムの劇的ゴールで下していた。


そして、J3昇格後、迎えた初の天皇杯もまたアディショナルタイムの決着となった。3年前とは逆に「追われる立場」となった今回、日程はさらに過酷だった。直前のJ3リーグ・松本山雅FC戦から中2日、松本から滋賀へ戻る強行移動で朝方に到着したばかりの状態でのキックオフとなり、角田誠監督は登録メンバーの事情から3バックを選択せざるを得なかった。


対するJSCは2024年天皇杯でJ1名古屋グランパスを1-0で破った実績を持つ。金子俊也監督は角田体制になってからの滋賀の映像を数試合分分析し、「ブロックを引いて裏のスペースを消す」守備を徹底させた。滋賀は前半、タイトな守備を崩しきれず0-0で折り返した。角田監督は「前半はアクションが少なすぎた。前半に出た選手たちの課題」と振り返っている。

後半63分、途中出場のFW北條が裏へ抜け出して先制。だがJSCも崩れず、81分にはコーチングスタッフとデザインしたロングスローからDF堺が押し込んで同点に追いついた。延長を避けたい滋賀は90+5分、途中出場のDF井出が執念のボレーを叩き込み、そのまま試合終了。角田監督は「敬大のゴールは彼の最大の持ち味であるメンタル、執念が引き寄せたゴール。今日は彼に救われた」と語った。


金子監督は「プラン通り進めてた中で、レギュラーの途中交代で相手に勢いが出て失点したが、戦い方を変えずに追いつけたので想定内だった」とした上で、「あそこからもう1つ変化を加えて勝ちに行くには、僕の力も含めて足りなかった」と敗戦を総括。学生チームゆえの選手層の薄さを課題に挙げつつ、「プロは淡々と結果を出してくる。決定機でネットを揺らせるかどうかがアマとプロの差」と語った。それでも「やり合えた。胸を張って新潟に帰れるゲームができた」と手応えを口にした。


角田監督は現役時代、J1ベガルタ仙台在籍時に当時社会人だった奈良クラブに敗れた経験を引き合いに「天皇杯は相当難しい大会というのは分かっている」とジャイアントキリングへの警戒感を語る一方、「勝てたことだけが一番の収穫」と繰り返し、次戦については「正直全然考えていない。まずは明後日のザスパ群馬戦、コンディションを戻すことしか頭にない」と徹底したリアリズムを見せた。

滋賀はこの勝利により、8月26日にパナソニックスタジアム吹田で行われる2回戦でJ1ガンバ大阪と対戦する。


Reported by Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP

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