チチパス「細かなところで決まった」 逆転負けを悔やむも「失うものは何もない」【木下グループジャパンオープン】

「リードしていて、あの時間帯は素晴らしいテニスができていた。そういう試合で負けたのは残念だ」

木下グループジャパンオープン2026の男子シングルス2回戦で、ステファノス・チチパス(ギリシャ)は第8シードのバレンティン・バシュロ(モナコ)に4-6、7-6(5)、6-4で逆転負けを喫した。試合後の会見では、悔しさをにじませながら勝負の分かれ目を振り返った。


「戻ってくるとは思わなかったボールや、思った所に落ちなかったボールがあって、少し迷いが生じた。不運だったとは言わない。決めるべき場面で、自分がそこにいなかっただけだ」


第2セットは、勝利まであと2ゲームに迫っていた。もつれ込んだタイブレークでは1-5から5-5まで追いついたが、そこから2ポイントを続けて失った。


「5-5のサーブでは腕を振り切ったが、加速が足りなかった。本当に小さな細部で決まった試合だった。自分もそこはよくやったが、彼のほうが少しだけ上回った」


それでも、今季の手応えについて語る口ぶりは前向きだった。全米オープンでは、これまでにない勝ち上がりを見せていた。

「自分のテニスは良い状態で、不満はない。全米ではそれまでできなかった勝ち上がりができたし、まだ戦えることを示せた。結局はランキングだ。長い間ランキングが低く、こうした大会や大きな大会にもほとんど出られなかった。ポイントと自信を取り戻すには、大きな勝利が必要になる」


かつてトップ10の常連だった男は、今の立場をむしろ追い風と捉えている。

「今の自分には、失うものが何もない。ここから上がっていくだけだ。トップ10やトップ20にいれば、追われる立場になる。今は全力でぶつかるだけで、今日の試合に後悔はない」


近年のツアーの勢力図について問われると、選手間の差が縮まっていることを挙げた。

「今はほとんどの選手が、同じような強さ、パワー、動きを持っている。どの試合も、楽に勝てると思って臨むことはできない。勝敗を分けるのは細部だ。運ではなく、スキルで決まる。苦しい試合に勝てば自信になり、その自信が次につながる」


会見の最後には、自身の代名詞でもある片手バックハンドについても語った。

「片手バックハンドで世界1位になることが目標だ。とても難しく、技術が求められるショットで、身につけるには時間と鍛錬が必要になる」

チチパスは、片手バックハンドを志す日本のジュニア選手を4、5年前から支援しているという。きっかけは、父親からInstagramで届いたメッセージだった。日本のコーチ陣からは片手打ちを勧められていないと聞いたという。


「子どもが片手バックハンドを打ちたいのなら、打たせてあげるべきだと思った。それ以来ずっと彼を支えていて、時間があれば様子を見ている。アカデミーにも2、3回来てもらった。彼の歩みの一部になっているし、うまくいってほしい。まだ若いし、長い道のりがある」


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