天皇杯3回戦 J2横浜FCがJ1福岡を1-0で撃破、10年ぶりの16強

天皇杯JFA第106回全日本サッカー選手権大会3回戦が10月7日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われ、J2の横浜FCがJ1のアビスパ福岡を1-0で下した。横浜FCのベスト16進出は2016年以来10年ぶりで、天皇杯でのJ1撃破は20年ぶりとなった。

決勝点は前半22分。横浜FCが左サイドで得たFKから、先発したFW駒沢直哉が決めた。福岡は後半に攻勢を強めたが、横浜FCの守備を崩せず、無得点のまま敗れた。


横浜FCの須藤大輔監督は、ミッドウィークのカップ戦への姿勢を勝因の中心に置いた。「チームとして本当に勝ちに行くというメッセージと雰囲気が、いまのチームにある」。直近のルヴァンカップ岐阜戦は前半に苦しみながら後半に勝ち切り、その流れで出場した選手が自信を深めていたという。「全員が今何をすべきかを共有して、90分を戦い抜けた。最後は守り切る戦いになったが、その共有ができていた」と振り返った。

得点については、コーチ陣の準備を挙げた。「ヤブコーチがデザインしたことがそのまま入った。精度の高いキックに、しっかり入り込めていた」。セットプレーでの得点は、この日のテーマのひとつだったという。


起用した選手への言及も多かった。故障から復帰2試合目で先発した駒沢には「すごく苦しい思いをした選手。復帰2試合目で高いパフォーマンスを出している」と評価した。センターバックで先発した熊倉弘貴には、左足から出す斜めのボールとキックの質に期待したと明かした。普段出番の少ない選手の活躍については、リーグ戦に出ているメンバーにも刺激になっていると語り、「1つでも多く上に行きたい。J1に対してもできるという自信が、さらに成長曲線を押し上げる」と先を見据えた。一方で、1-0のまま終わらせず2点目を取りに行く姿勢には課題を残したとし、「もっと楽に勝てるようにしたい」とも話した。横浜FCは次戦、リーグ戦で大分と対戦する。


敗れた福岡の塚原真也監督は、悔しさを隠さなかった。「カップ戦は勝つことがすべてと選手にも伝えていた。次のステージに進めなかったことは非常に悔しい」。攻撃面ではチャンスを作りながら最後の局面で決め切れなかった。失点につながった前のファウルと、押し込まれた場面で押し返せなかったことを原因に挙げた。


得点力不足の背景について問われると、メンタリティに言及した。「最悪取れなくても、ゼロで持ち帰ってくる。その強さはリーグ戦でも課題になっている」。この日は横浜FCのシュート2本に対し、福岡は5、6本放ったと記憶していると話した。解決策については「突然得点を取るスコアラーが来るわけではない」とし、サイドからのクロスの質を高めること、相手を背負いながらペナルティエリアに入ること、ゴール前の人数を増やすことを挙げた。


先発した佐藤颯之介については、リーグ戦で出番が限られる中での起用だったと説明した。「シュートやクロスへの合わせなど、クオリティの高さは持っている。決め切る部分や、最後のクロスを合わせる部分はまだ良くなる」と期待を込めた。右サイドの山脇樺織と北島祐二の間でパスが合わなかった場面にも触れ、「個人で合わせてほしい。ズレたとしても、もう一度切り替える部分が必要だった」と指摘した。


福岡はリーグ戦に向け、次の岡山戦を見据える。塚原監督は「簡単に切り替えられるものではないが、次に向かおうと話をした」と締めくくった。


Photo by Atsuhiko Nakai / SportsPressJP