「爪跡残してこいと言われた」 大熊茜

AFC女子アジアカップ・オーストラリア2026に臨むなでしこジャパンは、開催地パースで初日のトレーニングを実施した。練習後、オンライン取材に応じたGK大熊茜は、日本の冬とは異なるパースの暑さに「少しマイナス」と苦笑いを見せつつも、A代表の舞台に臆する様子はない。


所属するINAC神戸レオネッサでは、今シーズン就任した宮本ともみ監督のもと、守護神として勝利に貢献し続けている。首位争いを演じるシビアな環境でのプレーを「成長できているし、楽しくサッカーができている」と振り返る。チームメイトからは「爪跡を残してこい」と強気な言葉で送り出され、「自分の力を出せればチャンスはある」と静かに闘志を燃やす。


代表チームでは、長年ゴールマウスを守ってきた山下杏也加や平尾知佳と席を並べる。大熊は、自信に満ちた二人の立ち振る舞いから「盗めるものはすべて盗みたい」と貪欲な姿勢を見せる。一方で、自身の武器についても明確な自負を語った。中学2年生までディフェンダーを務めていた経験を土台とする「1対1の場面における粘り強い守備」に加え、「ビルドアップ」や「シュートストップ」を自らの強みとして挙げ、実力者揃いのGK陣の中で個性を発揮する。


アンダー世代での経験も彼女を突き動かす原動力となっている。U-20女子ワールドカップで敗れたDPRコリア(北朝鮮)との再戦を熱望し、「あの時の悔しい気持ちを跳ね返したい」と言葉に力を込めた。自身を「非常に緊張するタイプ」と分析しながらも、その緊張感を力に変えて90分フル出場を狙う。日本の女子トップリーグで磨かれた「WEリーガーとしての強み」を世界に知らしめるため、そして目標とする海外移籍やワールドカップ出場を現実のものとするため。21歳の新守護神が、アジアの頂点へ向けた挑戦をスタートさせた。

Photo / TEXT: Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP 

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