「ベンチにいる意味は、仲間に安心感と勇気を与えること」岩清水梓

AFC女子チャンピオンズリーグ準々決勝でスタリオン・ラグナに5-0と快勝し準決勝進出を果たした日テレ・東京ヴェルディベレーザ。後半からボランチで途中出場したDF岩清水梓が試合後に報道陣の取材に応じ、ピッチ内外での役割や大会を通じた手応えを語った。

「チャンスがあると思っていた」― 途中出場で掴んだ感覚

後半からボランチで出場した岩清水は、ピッチに入る前の心境についてこう振り返った。「味方が点を取ってくれたら自分にもチャンスがあると思っていました。後半に入って相手が斜めに流れるなど展開が変わってきたので、行けると感じました」。

最近はボランチを任される機会も増えているが、ベレーザの試合では強度の高い相手との対戦が多く、なかなかボールに絡めない試合が続いていたと明かした。「この日は多少の実力差もあって、ボールを持てる時間が長かった。自分も積極的にプレーに絡めて、純粋に楽しかったです」と笑顔で語った。


後方への声かけ、そして雰囲気作り

前半にやや重い時間帯が続いた中、岩清水がベンチから意識していたことがある。「最後尾の選手たちに、常に準備を怠らないよう言い続けていました」。アジアの舞台では不意の軌道のボールが飛んでくることも多く、単純なスピード勝負で後手を踏む場面もあり得る。ポジションを崩される最悪のパターンを防ぐため、攻撃中も集中を維持するよう後方とベンチから声を飛ばし続けた。声かけは守備的なものだけではなかった。「味方の好プレーを積極的に褒めて、気分が乗るような声かけも心がけていました。試合の雰囲気を良くすることも自分の仕事だと思っています」。


「試合を締める」― 年齢とコンディションで見えた自分の役割

監督が試合後に言及した「試合を締める」という役割について、岩清水自身も深く納得していた。「自分の年齢やコンディションを考えると、まさにそれが自分に与えられた仕事だと思っています。そういう役割をもらえること自体、ありがたい」。この日は無失点で試合を終わらせ、「最低限のミッションは果たせた」と静かに手応えを口にした。


準決勝・決勝と舞台が上がっていく中での自身の立ち位置については、こう言い切った。「大会の登録メンバーが多い中で、自分がベンチにいる意味は、チームメイトに安心感や自信、勇気を与えること。ピッチの中だけじゃなく、外から何ができるかが自分や瑠美に問われていると思っています」。


アジアの洗礼「激しさも重さも、国内とは全然違う」

WEリーグとは異なるアジアの戦いの印象についても率直な感想を語った。「際どいスピードや体の重さが全く違う。国内では技術があるからこそ激しくぶつかる前に接触を回避できますが、アジアでは激しいパワープレーが当たり前のように来る」。相手の体格や足の長さ、そしてキック力にも衝撃を受けたといい、「普段ならボランチの辺りに落ちるボールが、その後方まで普通に飛んでくる。全然違う距離感でした」と驚きを隠さなかった。代表選手たちは国際経験を積んでいるが、「ベレーザというチーム単位でこうした相手と対戦できることに大きな意味がある」と強調。だからこそ戦う姿勢を保ち、声を出し続けることで集中を切らさなかったと振り返った。


「準決勝も決勝も勝ち抜いて、優勝したい」

女子サッカーの魅力を直接届けることの重要性にも触れながら、岩清水は最後に力を込めてこう語った。「今のチームにはまだ波があります。でも、準決勝も決勝も勝ち抜いて、このメンバーで優勝したい。それだけです」。ピッチに立つ時間は限られていても、その存在感と声でチームを支え続ける岩清水梓。ベレーザの頂点への挑戦は、まだ続く。


PHOTO: Junko Sato / SportsPressJP

取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP 




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