勝利を呼んだ修正術のルーツは対戦相手か

宇都宮ブレックスは名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのアウェー戦を制し、地区優勝マジックを「1」とした。試合後の会見でジーコ・コロネルヘッドコーチは、前半について「お互いのシュート確率がすごく低くて、あまり点も入らない前半だった」と振り返った。

勝負を分けたのはハーフタイムの修正だった。前半の失点30点のうち18点がトランジションとセカンドチャンスによるものであり、選手たちが自発的にその課題を提起し、コーチ陣がそれに賛同する形で後半に向けた修正が図られた。コロネルHCはこのアプローチについて、長崎ヴェルカのヘナレ・アシスタントコーチから学んだ手法であると明かした。さらに、ヘナレ氏が現役時代に長く師事していたのがこの日の対戦相手である名古屋のショーン・デニスHCであったことから、「もしかしたら、そこから学んだのかもしれない」と推測を交えて語った。自分たちの勝利を手繰り寄せた修正のアプローチが、対戦相手の指揮官にルーツを持つ可能性があるというエピソードは、非常に興味深い。

この日ハーフタイムに意見を求めたのは青木ブレイクだった。コロネルHCは毎回聞く相手を変えており、青木を中心とした活発な議論がトランジションとリバウンドの修正に繋がったと語った。「選手たちの方がコーチより力はある」とも述べ、選手主導の修正こそが後半の点差拡大と勝利に繋がったとの見方を示した。


後半の立ち上がりには比江島慎が連続得点でチームに勢いをもたらした。コロネルHCはそのパフォーマンスを「第3クォーターの開始直後から気合いが入っているように見えた」と評し、自ら相手との距離を作り自信を持ってシュートを打ちきったプレーを称えた。「気合いが入っていたかどうかは本人に聞いていただいた方が多分一番わかる」と冗談めかす場面もあり、選手への信頼が垣間見えた。

地区優勝マジック「1」点灯について問われると、「自分たちの状況を自分たちでコントロールできれば一番いい」と述べ、他会場の群馬クレインサンダーズの動向を意識するのではなく、自分たちのバスケットボールを遂行することへの集中を示した。

試合会場となった新アリーナについては、前半のシュート不調との関連を明確に否定した。「向こうのシュート確率も22%ほどだったので、向こうにとっては新しい環境ではない」と指摘した上で、「本当に素晴らしいアリーナで、公園やお城など周りにもいろんなものがあって、すごく素敵だ」と名古屋のホームアリーナを絶賛した。

取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP